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spacer.gif ガバナー月信4月号
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特集 私の職業奉仕(2)

 「いづれの職業に就いても」 三木表悦(京都西RC)
 2004年国際大会(関西)の年に縁あって京都西ロータリークラブの会長を務めさせていただきました。そして昨年はロータリー100周年の節目を迎えて本年はロータリーに入会して30年目になり今年は職業奉仕委員会に属して居ります。振り返りますと学業を終えて最初の職業は母校美術工芸学校の教員でした。3年間勤務後つぎは船舶内装の中で装飾漆絵の仕事につきました。当時は日本の高度経済成長の時代でもあり造船業界は活況を呈し漆画の依頼で大変な忙しさでした。当時の通産省の船で白嶺丸、沖縄本土返還を前に琉球航路の客船等又輸出タンカー、フェリーにも採用されました。40歳を間近にして縁あってロータリークラブに入会致しました。当時は仕事とロータリー活動と果して両立出来るか悩みましたが、お陰様で今日まで元気に仕事を続けて居ります。現在は京都の伝統産業である家業(京漆器)の三代目を継いでおります。教員時代は数多くの青少年に接することが出来ました。教え子達は立派な社会人として活躍して居ります。船舶内装用の装飾画にかかわった時は産業社会の空気にもふれロータリークラブ入会の縁に繋がり今日に至って居ります。様々な事業や専門職の方々との出合い、地域の人々との親交、未来を担う新世代の人達との共同事業等々数かぎりない夢と可能性を秘めています。職業奉仕はロータリーの金看板といわれて居ります。与えられた仕事に誠心誠意取り組む姿勢こそ大切に思われます。私の場合父祖から受けついだ優れた伝統技術に敬意を持って一層練磨するとともに今日の社会のニーズに応えることが我々の専門職の仕事であると思われる。本年度のテーマ「超我の奉仕」こそ日常自分の職業を通じて出来る一番大切なものに思われます。

 ポリオプラス活動に参加して 高橋権也(宇治鳳凰RC)
 私は現在内科医師として宇治市内に内科医院を開設し、地域医療に力をいれています。10年前、偶然のきっかけで坂部ガバナーがモンゴルで行ったポリオミッションに参加して以来、本年のフィリッピン・レイテ島ミッションまで毎年のように参加させていただいています。
 私は大学卒業以来、13年間大学の研究室やアメリカの医科大学の研究所で仕事をしてきました。そのため私の頭の中はずっと欧米思考でした。開業してからは、地域の医療体制や福祉関連の活動をはじめ、RCに入会してからは奉仕活動の重要性を学んできました。そんななかでポリオミッションに参加し、発展途上国の医療や生活を垣間見ました。それを契機に私の頭の中は欧米思考から極貧国の人々への思いに変わってしまいました。ポリオミッションを通してその思いの一端を実現させてもらっています。途上国の人々への援助は医療と教育が大切です。この二つを重要視するWCSの活動に参加させていただけて大変幸せです。

 「高齢者講習」の取り組みについて 太田嘉兵衛(京都西RC)
 平成10年10月より、運転免許更新時の高齢者講習が実施されることとなりました。当初は75歳以上の高齢運転者が対象でしたが、その後70歳以上に引き下げられて現在に至っています。ロータリアンの皆様方のなかにもすでにこの講習を受講されたかが大勢おいでになると思います。
 当時、急増する高齢運転者による交通事故を減らそうというところからこの制度が導入されまし
た。高齢者は、加齢に伴って身体機能が低下する傾向にありますが、70歳以上の運転者の死亡事故率が高い理由として、運転者が自らこのような身体機能の低下の状況を自覚し、これに応じた運転をしていないことが考えられます。
 高齢者講習は、交通死亡事故を起こす比率が他の年齢層に比べて極めて高くなっている70歳以上の運転者に、実際に自動車を運転してもらったり、運転適性検査器材を用いた検査をして、自らの身体機能の状態を自覚してもらい、これに応じた安全運転の方法について具体的に指導をしています。
 講習の内容は以下の通りです。
 I 道路交通の現状と交通事故の実態
  1) 地域における車社会の実態
  2) 交通事故の特徴
 II 運転者の心構えと義務
  1) 安全運転の心構え
  2) シートベルト、ヘルメットの着用
  3) 加害者の責任
  4) 運転者の義務
  5) 負傷者の救護措置
 III 安全運転の知識
  1) 安全運転の基礎知識
  2) 改正道路交通法の知識
  3) 危険予測と回避方法
 IV 運転適性の診断と指導
  1) 運転適性検査器材と実車による診断と指導
 当社では制度発足の平成10年からこの「高齢者講習」に取り組んでおります。当社の受講状況を記しますと
 平成10年 1123名平成11年 1720名
 平成12年 1824名平成13年 1580名
 平成14年 1940名平成15年 1582名
 平成16年 1368名平成17年 1662名    (合計 7799名)
 ロータリアンの皆様方には、自らの運転技能を正しく自己評価して、自らの身体機能の低下を自覚していただき、もって安全な交通社会の実現にお力添えを賜りますことを期待しております。

 職業奉仕を思う 堀井長太郎(宇治鳳凰RC)
 「ああーおいしい」この一言が私にとって一番嬉しい言葉であります。
 私は宇治茶の卸売り販売業を職業としておりますが、小売り部のお客様に接するとき、宇治でのおもてなしは、おいしいお茶を提供し「さすが宇治茶だな」と、喜んでいただく事です。
 お茶の種類に応じてお湯の温度、茶葉の量、そして侵出時間をはかりお茶を淹れます。気が急いていても、心静かにゆっくり時間をかけ淹れます。おいしく出るようにと念じながら心籠めて、急須から茶碗に注ぎます。お客様がお茶を口に含まれ、笑顔と共に、「おいしい」の言葉を戴いたとき、この職業で良かったという思いがひしひしと感じられます。
 そして一杯のお茶を通じて会話が拡がり、私自身お客様よりご教示戴くことも、数多いことです。茶道の世界では「一期一会」という言葉がありますが、お客様に接するとき毎回この言葉を思い、出会いを楽しませて戴いております。これも茶という商品が持つ奥深さから、では無いでしょうか。
 一杯のお茶は安らぎ(やすらぎ)と、和らぎ(やわらぎ)そして何よりも日本人が大切にしてきた一家の団欒を与えてくれます。時代は変わり、「茶の間」はダイニングルームと呼ばれるようになりましたが「茶」が家族の仲立ちとなり、その中心の飲み物である事は変わりません。特にそれぞれが時間に追われ、家族の絆が失われかけ始めている、と言われる時代にこそ「そろそろお茶にしよう」と言う、ゆとりの時間が必要ではないでしょうか。きっと、お茶が糸口となり家族の豊かな時間が過ごせるに違い有りません。
 この様なお茶を販売できる喜びが私自身にありますが、それ以上にいかに喜んでいただくお茶を提供することが使命であると考えております。お茶は嗜好品のため産地や製造方法等によりお客様全てがおいしいと、納得される品は少ないと思います。しかし、自分自身が検査を行い選り抜いたお茶を提供し、又店頭ではお客様に直接接し、お茶のおいしい淹れ方をお教えできる喜び、それこそが私の職業奉仕と考えます。

 私の職業奉仕観 西村尹男(京都西RC)
 ロータリアンにとって職業奉仕は難しい、分かりにくいとよく云われるが、ロータリーの本質は職業奉仕以外にはなく、従って職業奉仕はロータリーの基盤であり、ロータリーの「奉仕の理想」の根本精神であることは云うまでもない。
 ロータリーの職業奉仕の考え方は、他の多くの奉仕団体に無いロータリー特有の主義、主張で、いわばよく云われるロータリーの金看板と云ってもいいくらいである。換言すれば、ロータリーのロータリーたる所以は、この職業奉仕にあると云う考え方があるからだと思う。
 又、「ロータリーは元来一業種一人の集まりであり、お互いに異なった職業人が、毎週の例会において話し合いの場を持ち、お互いが切磋琢磨しながら、職業倫理を高め、実力の涵養と人格の形成に努めること、これが真のロータリーの目的であり、それ故に例会こそがロータリアンとしての人生の道場であると言われる所以であり、又職業奉仕はあくまで原則的にI serveであり、自らの職業を通じて道徳的な倫理観を高め、社会に奉仕することである。」という事である。この一文は、米山梅吉翁の(常識関門)の中の一節である。真に同感である。
 更に、手続要覧に「奉仕するものは行動しなければならない。従ってロータリーとは単なる心構えのことをいうのではなく、又ロータリーの哲学も単に主観的なものであってはならず、それを客観的な行動に表さなければならない」と説いている。
 即ち、奉仕の心に生きんとするものは行動を起こさなければならない。ロータリーの奉仕は行動を伴う実践哲学である。従って、奉仕の心は行動を促し、行動は新しい理念を生む。ロータリーは時代の変遷によって、また必要に応じて変わっていくものであるが、その中で変わらないものは職業奉仕である。
 まず、仕事であって初めてロータリーがあるので、ロータリーがあって仕事があるのではない事、ロータリーも大切であるがそれ以上に個々の仕事が大切であることを常に念頭に置いておかねばならないと思う。

 職業奉仕実践事例記 大町佐千美(宇治鳳凰RC)
 平成18年、年も明けて穏やかに過ごしておりましたところ、突然、職業奉仕委員長よりお手紙をいただきました。「職業奉仕実践事例記を報告してください」という用件でした。
 普段RC活動で、少しは地区・社会に、何がしかの奉仕はお手伝いできてはいるものの、仕事・職業に於いてはなにか貢献できていますか?と問われているような気になりました。
 正月に毎年、父と兄弟姉妹家族一家で温泉に行っています。今年は雪も多く、近場になりました。とあるホテルに投宿し、温泉の湯の質も良いところでした。そこでのサービスは自然で、とても快適に過ごせました。自分のタオルも識別でき、スリッパには自分の名前が書けるようになっていて、他の方とは間違えないようにできていました。みんなが望んでいたことだったけれど、ちゃんと良く考えて実行しているなーと感心しました。
 食後には、子供からお年寄りまで楽しませてくれるゲームもあり、また空くじもありませんでした。翌朝には庭で焼きいもが振舞われました。食べ放題でした。本当に自分の実家にいるように、自然な心地でした。従業員は適切な場所で、なにげなく気配り、目配りしていたのが印象的でした。またどのスタッフも、きびきびと行動し、生き生きした目をしていらっしゃいました。
 数日後、一転した出来事が起こりました。
 経済効率を追求するあまり、株価上昇至上主義に取り付かれたライブドア株式会社の事件です。同情する意見もありましたが、国内はおろか世界を混乱に巻き込んでの堀江社長逮捕。それ以外にも、去年からは耐震強度偽装のマンション、ホテル建設の問題などと考えられないことが、次々起こっています。
 こうしたことを鑑みましても、日々創意工夫を重ね、常にまじめに仕事に努めていくことが、ひいてはお客様、消費者、地域の人々に奉仕できているのではないかと考えます。私が独立したとき、先輩から受けたアドバイスは「人格磨き」。ロータリーに入会させていただき、かなり影響を受けています。そして仕事を通して、一人でも多くの方の笑顔に会えるよう、これからも努めていきたいと思います。



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Copyright 2005 Rotary International District 2650.
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