title.gif
obj_head_bar.gif
spacer.gif
spacer.gif ガバナー月信11月号
line_02.gif

ロータリー財団の窓から世界が見える




国際ロータリー第2650地区ガバナー 大久保 昇
大久保 昇

1:いま、世界の子供たちは−
 世界の貧困の半減を目指してきた国連開発計画(UNDP)は9月7日、中間総括のかたちの「2005年人間開発報告」を発表しました。
  1. 30万人が極端な貧困から抜け出せたが、なお27億人が1日2ドル以下の生計費で生活している。
  2. 子供の死亡は年間200万人減少したが、なお1000万人が予防可能な疾病で死亡している。
  3. 就学児童は3000万人増加したが、なお1500万人の未就学児童がいる。
  4. 清潔で安全な水を15億人が利用できるようになったが、10億人以上がなお利用できず、26億人が衛生施設を利用できない。
 これが1990年代から進めてきた人間開発計画の現状で、報告は、先進工業諸国が1970年代に約束した「2015年までに国民総生産(GNP)の0.7%を途上国に援助すること」などを求めています。

2:ロータリーとロータリアンの夢

 私たちロータリアンは、ロータリアンであることを誇りに思い、平和と親善の推進を大切にしながら、未来について共通の夢を持ちつづけています。その夢は−
 ◇子供がひとりとして空腹を抱えて寝床に入らなくてよい世界
 ◇病気の子供がみな医療を受けられる世界
 ◇子供たちがひとり残らず読み書きを学ぶ機会を得る世界
 ◇すべての子供たちが屋根の下で暮らし、暖かい衣服を着、靴をはける世界
 ◇すべての子供たちが思いやりのある大人の愛と共感を体験する世界
 ◇恐れと願望は異質な概念とみなされ、若い生命が希望とより良い生活へのチャンスを意味する世界
の実現です。つまり、ロータリーとロータリアンは、地域と世界のすべての子供たちが元気に育つ世界を夢見てきました。子供たちこそ未来なのです。この子供たちのことを抜きにして未来を語ることはできません。

3:「もっともよく奉仕する者、もっとも多く報われる」

 これは、1911年、アーサー・フレデリック・シェルドン氏が語った言葉で、のちにロータリーの標語として採択されたものですが、日本には「情けは人のためならず」という諺があります。どちらもロータリアンとしてかみしめてみるべき言葉だと思います。
 (もっとも、近頃の日本には、さきの諺・慣用句「情けは人の…」を、他人に情けをかけるのはその人のためにならない、自立をさまたげる、などと主観的解釈、誤った日本語の理解ですませる若者・大学生がけっこう多いと聞いています。)
 子供たちが元気に育つ世界−この夢の実現にむけて、ロータリーに集うロータリアンはさまざまな「奉仕の活動」に取り組んできました。いまも持続的に取り組んでいます。
 この「奉仕の活動」とそのために必要な「資金の調達」とは、「車の両輪」といわれています。
ロータリーの奉仕の活動には、
教育的プログラム
 
(国際親善奨学金・世界平和フェローシップ・大学教員のための補助金・研究グループ交換・平和および紛争解決研究プログラム)
人道的補助金プログラム
 
(保健・飢餓追放および人間尊重補助金・3H地区補助金・マッチンググラント)
があり、近年は、巾広く増大化しています。
 これら二つのプログラムに必要な資金は、年次寄付・恒久基金・使途指定寄付によって集められています。
 このうちの年次寄付は、地区財団活動資金(DDF)と国際財団活動資金(WF)の二つの活動資金に分けられます。
 今年度内の年次寄付は3年後、その50%が地区へもどされ、恒久基金の収益を加えた額がDDFと呼ばれる地区の活動資金になります。この資金は、地区およびクラブで使ってよいお金で、使いみちは地区のロータリー財団委員会で決めることができます。
 これに対し、WFと呼ばれる国際財団活動資金の使いみちは、ロータリー財団の裁量で決められ、地区やクラブが実施するプログラムの主としてマッチング・グランド、個人向け補助金、GSEに配分されます。
 さきの地区財団活動資金(DDF)の日本国内の実績を見ますと、教育的プログラムと人道的プログラムの比率はほぼ90%対10%ですが、当地区では、80%対20%と人道的プログラムにも力を入れていただいてきました。
 奉仕の充実・夢の実現のため、地区全ロータリアンの深いご理解とご協力をいただいて、この実績は持続していきたいと願っています。

4:財団の窓から世界が見える
 数年前、バングラデシュ・チッタゴン地区の高校生に奨学金をおくるために現地を訪問したことがあります。
 広い肥沃な国土と河川を持ちながら治水が不備で、干ばつと洪水を防ぐことができずに、国民の貧富の格差がはなはだしい最貧国の一つ、という知識を持ってはいましたが、聞くと見るとは大違い、予想を超えた国民の貧しさ、その暮らしぶりに驚きました。教育を受けられない子供も多く、就学率は35%と聞きました。国づくりの基礎は教育、時代を背負う子供たちに教育を受ける機会をあたえたい、と願う現地のロータリアンの目が希望に燃えているのに感動をおぼえ、「ロータリー財団の窓から世界が見える」、「奉仕の実践から新しい課題が見つかる」と実感したことでした。
 ロータリーの夢の実現。それはロータリアンの奉仕の積みあげだとおもっています。
ラバウル現地の人から歓迎を受ける
ポリオワクチンを投与する
大久保ガバナー


spacer.gif
spacer.gif
Copyright 2005 Rotary International District 2650.
spacer.gif
spacer.gif