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「世界理解月間」
  国際理解と親善こそ平和への出発点です


国際ロータリー第2650地区ガバナー 大久保 昇
大久保 昇

1905年2月23日の記憶
 1世紀前のこの日は、ポール・ハリス、ガスターバス・ローア、シルベスター・シール、ハイラム・ショーレーの4人がシカゴで初めて会合を開き、ロータリーを誕生させた記念の日です。世界のロータリアンは、ロータリーの創立記念日として記憶しています。
 国際ロータリーでは、2月を「世界理解月間」と指定して国際理解と善意を強調するクラブ・プログラムの実践をロータリー・クラブに要請するとともに、23日の創立記念日を、世界理解と平和の日(World Understanding and Peace Day)と定めて、世界のロータリアンに友好を深め、国際平和実現のための献身・奉仕の活動を強く訴えていることは、すでにご承知のとおりです。
 民族・宗教・国境をこえての交流と友好親善を深めることこそ、世界平和のカギであり、出発点だとおもいます。
 口では国際理解をとなえながら、一部の民族や一国の考え方・価値観を一方的に他民族や他国に押しつけたり、武力で脅して強要したりすることは、世界の平和をもとめる地球上の多くの人に受けいれられることではなく、危険な行動と糾弾されるにちがいありません。世界の平和は遠のくばかりです。
 世界はひとつ。今こそ「超我の奉仕」を行動の指針とするロータリーの出番です。
 国際ロータリー2005〜2006年度会長・ステンハマー氏は、世界のロータリー・クラブがさまざまな重要問題に取り組んでいることを承知のうえで、「識字率向上と水保全が注目すべき二つの緊要な問題である」と指摘し、継続的な奉仕の持続と、同じ理想や目標を共有する他団体との協力活動を検討してほしい、と語っています(第2605地区「ガバナー月信」2005年7月号)

水の惑星・地球の「水」問題
 ステンハマーR.I.会長はまた、世界各地でロータリアンが効果的に取り組んでいる地球の「水」に関連する活動・プロジェクトにふれながら、まだ多くの課題が残されている世界の現実をふまえて、プロジェクト継続の必要性を強く訴えています。
 日本の日常からは想像しにくいことですが、人工の増大、地球の温暖化などによる途上国を中心にした水不足、水汚染などの「水」問題は、ますます深刻化しています。国土交通省水資源部作成のグラフ資料をごらんください。

グラフ
 このグラフでいう「安全な飲料水」を手にいれられるかどうかは、改善された水源を使用できるかどうかで判断されます。「改善された」とは、各世帯に水道が引かれている、あるいは公共の貯水塔や掘り抜き井戸、汚染を防止した井戸や水、雨水集積装置などがあることを指し、「改善されていない」とは、井戸や泉がむき出し、川や池の水を使っている、業者が売る水や給水トラックの水を使っていることなどを指しています。(財・水資源協会「日本の水2005」より)
 国連も、世界的な水の危機を「経済発展、貧困緩和、環境、そして平和と安全への危機」と表現して、世界の緊要課題としています。まさしく21世紀は水の世紀なのです。世界の水を消費する日本は、世界の水問題に無関心でいるわけにはいかず、ロータリアンとして、奉仕の手をさしのべるべきときです。

世界の脅威・地球の砂漠化を防止する活動
 地球の水の問題は、地球の砂漠化問題にもつながります。
 外交関係のギクシャクしている隣国・中国は、砂漠は昔から脅威の対象で、今もタクラマカン砂漠の小砂漠では、砂は強い北風によって毎年、5〜20メートルも動き、砂漠が拡大されつづけているそうです。砂の威力が現代中国をおびやかしているということです。
 この中国内モンゴル自治区では、7年前から日本の「緑の協力隊・関西澤井隊」(本部・城陽市)が砂漠に約3000本のポプラを植え、外交関係を乗りこえて、隣国の緑の復活とともに、植樹の心を伝えてきました。(京都新聞1月5日記事)
 また、当地区の舞鶴東ロータリークラブも、モンゴル自治区シリンホト砂漠・クプチ砂漠に植樹のため『アミダの森京都隊・砂漠緑化ロータリーの森』を結成し、非ロータリアン・新世代をふくむ総勢19人が、昨年の8月26日から31日の6日間で、ポプラ苗木800本を地元小学生の協力を得て植樹してこられました。これまでの植樹とあわせて延べ200万本にもなるそうです。(この援助活動の報告書が作られています。ぜひご紹介したいとおもっています。)
 国連は2006年を「砂漠と砂漠化の国際年」と定め、世界各地で啓発活動や首脳サミットなどを行う計画をたてていますが、自然の回復力を信頼して進めていたこれら民間団体の砂漠化防止活動は、人間の息の長い取り組みと現地の人の協力を必要とし、国際的な取り組みが必要です。ロータリーの出番のひとつが、ここにもある、と思います。

水の惑星に生きる人類の知恵と力
 1995年、当時世界銀行副総裁だったイスマル・セラゲルディン氏は、「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀は水をめぐる争いになるだろう」
 と予測しました。その発言から10年後の現在、途上国だけの問題ではなく、世界の「水」問題は深刻化し、水不足・水汚染・水争いなどを包括する考え・言葉として、21世紀は「水の世紀」といわれるようになりました。
 しかし、20世紀の人類の愚をくりかえすことはできません。ゆめゆめ、「水」戦争を起こしてはなりません。地球に生きる人類の知恵と力を出しあって、この水の惑星を後代にゆずりわたしましょう。


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Copyright 2005 Rotary International District 2650.
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