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spacer.gif ガバナー月信1月号
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新春所感“安分以養福”






国際ロータリー元理事 千 玄室
千 玄室

 丙戌歳の新春を、皆様ご健勝にてお迎えになりましたこととお慶び申します。
 昨2005年は、ロータリーが創立されて丁度100周年の年で、「ロータリーを祝おう」とのテーマのもと、各地でさまざまなプログラムが展開されました。
 4月には、わが2650地区の100周年記念会員大会も開催され、共にロータリーの歴史をふり返り、また未来の姿にも思いを致した時でありました。
 そして「超我の奉仕」のテーマのもと、101年目を歩み出しました。
 新春を迎えたこの年頭に、私はロータリアンの皆様に、「安分以養福」という禅語を示したいと存じております。
 安分とは何でありましょうか。千 利休も、「茶の道は、知足を本として足るを知り、己の分に安ずること」が茶道の本意だと教えています。
 自分が何であるかを知り、この世に於ける自分の為すべきことをわきまえておれば、決して道を踏み外すことはありません。
 最近の世の乱れは、人々が己れの分を知らぬことに起因していると申せましょう。
 己れを知り、己れの分に安じることから1人1人の幸せが生み出されるのです。
 一の茶と小さなお菓子をお互いに「お先にどうぞ」とすすめ合う中で、己れの分に安じる心が生み出される茶道の場は、正にこの分に安じることを学ぶ道場であります。
 ひるがえって、ロータリーについての安分に思いをいたすとき、ロータリーとは何か、ということから考えねばなりません。
 20世紀初頭のアメリカ、物質文明の近代化が、社会にさまざまな混乱を引き起したシカゴで、信頼できる友もなく、淋しい思いをしていたポール・ハリスが、まず仲間づくりを始め、その交わりの中心に“慈愛・寛容・忍耐”という精神をおいたことが、ロータリーの原点であります。100年経過した今も、この精神性は不滅であるのです。
 ロータリーが己れの分を忘れ、増強・拡大を声高に叫んでいたこの数年、ロータリーはむしろ減退しました。また、変革の名のもとにルールが次々と変更され、元の姿がすっかり判らぬことになった中で、ロータリーの厳しさは失われ、同時にその素晴しさも段々低められたのではないでしょうか。もう一度、ロータリーの素晴しさを取り戻そうではありませんか。
 ロータリーの原点に戻り、お互いに謙虚な思いで己れを知り、相手を思いやる心を交わりの基本において、各クラブのあり方を見つめなおし、本来のロータリーのありようを目指していきましょう。
 新しい年が皆様にとってお幸せな年でありますよう祈念し、ご挨拶といたします。


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Copyright 2005 Rotary International District 2650.
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