社会的養護を受ける子ども支援プロジェクト カイロス・リーグ
社会的養護とは…保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこと。社会的養護は、「子どもの最善の利益のために」と「社会全体で子どもを育む」を理念として行われている。
-
01 なぜこの事業に取り組んだか
親からの支援を受けることのできない児童養護施設に入所する子ども達は、現状において経済的に厳しい状況に置かれています。そしてその貧困は、「今」だけではなく子ども達の未来まで縛りつけ、新たな貧困を生み出しているのです。我々は、貧困から抜け出す重要な鍵は「教育」にあると考え、児童養護施設に入所する子ども達の未来を支援する事業を立ち上げました。子ども達に学びのきっかけを提供することによって、未来の貧困からの脱却を狙っています。そして、この事業によって学びの機会を得た子ども達が、いつか地域社会に戻り、この福井で活躍する人材となることを願っています。
-
02 子どもの貧困対策フォーラムを開催
2018年5月12日、ハピリンホールにて子どもの貧困対策フォーラムを開催。NHK大阪放送局の新井直之氏の特別公演や、後半のディスカッションでは「福井の子どもの貧困の現状と課題」について議論しました。また、福井県総合福祉相談所課長の芝氏からは、現在の福井の社会的養護の子ども達に焦点をあてた話や、実際に子どもの貧困の経験をもつ花園大学の井原さんの貴重な経験、また社会に対する願いなどをお聞きし、会場に来られた方々も真剣に耳を傾けていらっしゃいました。
START そして現在、社会的養護を受ける子ども支援プロジェクト『カイロス・リーグ』がスタートしました。
1.インターンシッププロジェクト
~子ども達が生きていく上で目標を持ち、将来への夢を持ってもらう~
越前市「一陽」と福井市「ほほ咲みの郷」の子ども達を対象に、インターンシップを実施しました。このプログラムは、貧困により未来に対し、夢を持つことが出来ない養護施設の子ども達に、職業奉仕の考え方を、会員企業で「職場体験」してもらうものです。
まずは子ども達に事前アンケートを取り、説明会を行いました
インターンシップで学べること(6つの資質)
福井ロータリークラブに
子ども達からお手紙も届きました
インターンシップを通じて子ども達が夢をもてるきっかけになります
2.ガウディプロジェクト(就業支援事業)
ガウディ:100年以上受け継がれて作り続けているサクラダファミリアの建築家、【長く受け継がれる文化の意味として命名】
- 【 目的 】
- 社会的養護を受ける子ども達に学生らしい学生生活を実施するための就業支援
- 【 内容 】
- 福井ロータリークラブ会員企業が、社会的養護を受ける子ども達の就業支援(就職を受入れ)し、さらに、クラブとして、就業スタート支援を行うものです。
具体的には…
- 家賃:1万円以内/月 ■部屋の広さ:1DK以上
- 家具付(テレビ、洗濯機、冷蔵庫、ベット、電子レンジ、ポット、エアコンなど)
- 徒歩または自転車で通える範囲
- 個人負担:NHK、水道、電気、ガス、Wi-fiなど
- 上記内容を前提として、各企業によって支援の内容が異なる場合があります。
- 各企業には入社試験があります。
さらには…新生活スタートアップ支援
児童養護施設の子ども達は18歳〜20歳で退所しなければなりません。社会人になるにしても、進学時同様生活基盤が整っていることが不可欠で、その為に高校生から勉学よりもアルバイトに必死にならざるを得ない状況です。高校を卒業して施設を退所するにも、その先の住居、生活関連の機器や家具等、卒業したばかりの子ども達が自力で揃えようとするとかなり厳しいのが現実なのです。我々福井ロータリークラブは、理想の社会人像を描き、就きたい職業への夢を持つ子ども達に対し、住宅環境や技術の資格習得支援を行う企業を募り、児童養護施設出身であっても臆することなく休職してもらえるような仕組み作りを考え実行に移してまいります。
3.ガイアプロジェクト(進学支援事業)
そして、ガイアプロジェクト(進学支援事業)へ
これは社会的養護を受ける子ども達がインターンシップを通して志や夢が持て、将来就職ではなく、進学を目指したいと願う子ども達に向けての事業です。
どんな職業に就きたいかにより進学先の相談や説明・将来必要な資格・進学に向けた勉強方法・進学するためのお金のアドバイスなど、ロータリークラブが一丸となって子ども達に寄り添い親身に応援していきたいと思っております。