活動報告ACTIVITES REPORTS
インドネシア日本型住血吸虫症根絶事業 内田リカコ
7月18日にインドネシア、スラウェシのPoso 地区で行われた、京都RC灌漑事業完成記念セレモニー及び記念碑除幕式参加のため、16日に日本を発って現地Paluで2泊の日程で行ってまいりました。
今回の事業は京都クラブの100周年記念事業として、実施された灌漑事業です。なぜ灌漑工事が有効なのか?理由は住血吸虫症の感染媒体が小さなタニシのような巻き貝で、この巻き貝は水辺の土に生息し、乾いた土地や水中では生きられないからです。
(1枚目)
1枚目の写真は今回の事業で完成した灌漑工事の一部の地域で、ドローンで撮影した上空からの写真です。この地域は、元は湿地で、危険なので誰も近づけない地域でしたが、灌漑工事の効果で、乾いた土地になり、写真のような緑の大地になりました。現地は悪路のため、生コンミキサー車など大きな車が安全に入れるようなところではないので、側溝はセメントを現場で練って木枠に石を詰めた上から流した手作りのコンクリート製のものです。工事が始まってまだ、1年も経っていませんが、今やカカオやコーヒー豆、アボガドなどを植えて今後の現金収入にもつながるものと期待されています。
(2枚目)
2枚目の写真は記念式典の様子です。
(3枚目)
3枚目の写真の私の隣の女性がインドネシア3420地区のガバナー、反対隣の男性がPoso郡の副郡長で、盛大なセレモニーが行われました。私が頭にかぶっている赤いヘアバンドのようなもの、男性たちがかぶっている赤い帽子のような形状のものはPoso村に着いた時に村人たちから歓迎の印にいただきました。式典のような正式な場で使われるようです。両国の国歌が流れましたが、海外で歌う「君が代」は、何か胸に迫るものがありました。

(4・5枚目)
4枚目の写真は工事の完成を記念して建てられた石碑です。メジャードナーが京都クラブであることが記されておりますが、5枚目の写真をご覧いただければわかりますように、ホノルルRCやボストンRCなどの京都クラブの姉妹クラブの他に、文字列の一番下のところではありますが、ワーキングパートナーとして「Rotary Club of Sakurai」と刻まれています。これは、会員の皆様もご承知のとおり、当初、我がクラブが、グローバル補助金を使っての国際奉仕事業としてインドネシアでの日本型住血吸虫症根絶事業に着手しようとして、現地調査に行き、現地クラブのPalu RCを見つけるところから始め、今回の工事の過程でも両クラブを繋ぐお手伝いをさせていただいたことへの感謝の気持として刻んでいただいたものです。
(6枚目)
次の写真は、Posoの住血吸虫症の研究所です。初めて視察に行ったときには立派に機能していそうな感じの研究所だったのですが、前回4月に行ったときには、壁や天井が落ちて顕微鏡も使われていない、スタッフもいない、本当に酷い状態になっており、そのことをジャカルタで表敬訪問したWHOの先生方に大変心配している旨をお伝えしました。今回は私たちが来るからその場を取り繕っただけかもしれませんが、4月に私たちが帰ったあと保健省から予算がおりてきて人も戻せたし、修理もできたと研究所の所長からお礼を言われました。研究所の所長によれば、京都南クラブのトラクターと長靴の寄贈や、京都クラブの大規模灌漑工事など、一連の国際ロータリー第2650地区からの支援があったことで、住民たちへの啓発にもなったし、地域の自治体の関心も高くなり、非常に大きなインパクトを与えてくれたとのことで、心から感謝していると御礼の言葉をいただきました。現地では、桜井ロータリークラブがこの地域への支援をしようと最初に動いてくれたという認識を持ってくれているようで、桜井クラブがなければ何も始まらなかったであろうという研究所の所長やPalu RCのEllen会長の言葉を聞いてとても誇らしい気持ちになりました。

(7・8枚目)
最後の2枚の写真は、帰り道、あまりのクネクネボコボコ道のため、同行メンバーの一人の気分が悪くなり、たまたま止まってお手洗いをお借りした小学校で、何故か子どもたちに囲まれて、今日勉強したノートを見せてくれたりしたときの写真です。このような子どもたちの澄んだ瞳との出会いは、国際奉仕でのもっとも大きな喜びの一つです。
最後になりましたが、我が桜井クラブは、今年度、この地域へWHOからスタッフを送り医療チームの教育・育成や住民へのさらなる啓発活動を実施するための資金を支援する目的でグローバル補助金を申請します。現在は地区へDDFの承認申請を行っているところです。今年度限りですが、自クラブ拠出金がゼロでもよいことになりましたので、当初予定していた5万7千ドルよりも大きな9万7千ドルの事業規模になっております。成功に向けて、会員の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願いします。