今年、本格的にCLPが導入され、社会奉仕委員会は奉仕プロジェクトの一部門として位置づけられることになった。社会奉仕はロータリーの心臓と言われるそうだが、今後はクラブにおいては、社会奉仕委員会の活動方針が、クラブのプログラムの幹になり、他の部門がそれぞれの立場から有機的に結びつき、これを支援することになるのではないだろうか。
さて、社会奉仕委員会が取り組むべき課題は無限といってよい。ガバナーが掲げられる強調項目はいずれも社会奉仕委員会の活動課題となりうるが、今年度はこの中でも特に「水保全問題を」を地区の委員会の課題としたい。
近年水問題は多くの場所で論議されているが、危機感と言うにはほど遠い気がする。特に自然に恵まれたこの日本においては一層その感じがつよい。しかし、新しい世紀には、これまでの石油に代わって、水の争奪が戦争の引き金になると言われているほど、飲料水の不足、水保全問題は深刻である。水はまた、地球の人口問題ともかかわり、環境汚染の問題などとも深く連動している。
地球は水の惑星といわれており、その表面積の3分の2は水で覆われている。量としては十分ではあるものの、我々が飲むことのできる水は地球上に存在する水の0.0001%に過ぎず、しかもその0.0001%水のほぼ70%が農業に、そして20%が工業に使われている。世界の人口は驚くべきスピードで増えているのに、その人々を養う水の絶対量は限られている。
自然豊かな日本といえども、その影響からは逃げることはできない。たとえば、日本は食物の60%を輸入に頼っているが、その食物を育てるためには大量の水を必要とする。日本は食糧を通じて多くの水を輸入しているのである。
地球は狭くなっており、世界のどこかで問題が起これば、それはリアルタイムですぐに影響する時代である。
水問題は深刻だが、その意識を喚起し、警告を送り続ける作業は、抽象的で目先の成果を伴わないかもしれない。けれども、いわば報酬の期待できない仕事こそロータリーの、わけても社会奉仕委員会の仕事のようにも思う。
今年度社会奉仕委員会は、地区内で、水問題に関する関心を喚起するための、各種プログラムを支援し、情報交換をはかり、特に次世代に効果的なアピールができるよう訴えて行きたい。
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