坂部先生ありがとうございました。中国の発音では、チョンウェンツィンとなりますが、日本語の発音では勿論、チョウブンセイとなります。先生、皆さんこんにちは。今日は、インターシティミーティングに参加させて頂きまして、そしてこういうお喋りするステージは、私にとって初めてなんですので、非常にいい経験になるかと思うんですが。坂部先生はじめ皆さんどうもありがとうございました。
 私は1990年度洛中ロータリークラブでお世話になりまして、そして立命館大学国際関係研究科の国際研究の中で修士課程がありまして、無事に修士課程学位を頂きました。そして、一年間半導体の企業で勤めさせて頂きまして、2000年度の母校立命館の常勤講師の募集に応じまして、去年戻ったところなんです。
 皆さん、先生の皆さんに、今日報告したい内容は、二つあります。一つは、仕事を兼てこの一年間教壇に立って心に残った場面。大きく二つありまして、それを報告したい。最後には私、今現在の勉強の内容を報告したい。そして終りたいと思います。

 まず、一年間大学の教壇に立って。日本の大学の教壇に立つというのは、家族にとっても非常に感激した、誇り高いものであったようなんですけども。私本人にとっては、非常に緊張する。所謂自分の中味はまだまだ不十分なのに、日本の18、19の若者達の前で喋らないといけないですね。どういう物を伝えたらいいか、また勿論海外に行くと中国人もそうなんですが、日本の方もそうなんですが、一人一人その国民を代表する事になりますね。私は中国語を担当しておりますが、中国の先生が中国語を教えるのは当たり前のように思えるんですが、しかし上手に教えられるか、また何を教えるか。言葉というのは道具なんですので、その中身、精神的な物を伝えたい、という事が家族にも言われまして。そして今日まである先生の言葉の支えで、一年間無事に来たんですね。

 この一年間の中で、勿論沢山感動する事はあったんですけども、少し淋しいなという事2つありましたね。一つは最近なんですが、私が勤めている国際関係学部の留学生なんですけども、韓国の留学生ですね、お嬢さんですが、年は私と同じ位ですが、三年生です。その学生は、私の講義は非常によく勉強して下さいまして。そして単位に関係なく、色んな先生の所に聞きに行き、成績も非常にいい女性の方ですね。その子が突然ある日に、「先生韓国に戻ります。もう学校が続けられません。」先生達皆、その事を聞いてびっくりしたんですね。どうしたんですか、突然彼女は涙がこぼれそうになって、「学費払えません」という事。うちの大学は、国際関係学部がリーディング学部になったようなんですが、学費はちょっと高いですね。で、彼女は成績が優秀なんですけども、アピールする事はヘタなんですね。こう言っては本人に申し訳ないんですが、奨学金は頂いておりません、どこも。その彼女の事を聞いて、先生達は皆早く言うてくれれば、何とかしてあげたのに、という言葉があちこちで聞こえますけども。その彼女は大学三年生ですね、私は大学の時代の自分の姿を思い出して、非常に辛い思い出であったのですけれども。所謂アルバイトをして、学費を稼いで、自費留学生ですね。アルバイトをして学費と生活費を稼いで、やっと払った所でもう体力尽きて。大学に行く緊張した高揚した精神で、とっても勉強できなかったです。

 まあだいたいの大学は、郊外にあるんですね。市内にあるのは珍しいですので、交通の疲れもあったんですけれども。そういう意味では、今の留学生は非常に苦しんでいる。もっと勉強したい。しかし、そういうアルバイトもしなくてはいけない。生活費も学費も、全部自分達でしなくてはいけない。そういう意味では本当、以前坂部先生とも話しをしたんですけれども、米山奨学金の在り方ですね。現在の金額でいいのですか、あるいはもっと安くしてより広範囲に皆に与えるか。そういう話しはした事ありますね。
 ですから、こういう学生に各大学の枠は少ないかと思うのですけれど、優秀な大学生を何で優秀と判断しますか。成績で優秀と思うかあるいは、全体的に人情的に人間性的にて判断するか。そういう意味でもっと研究調査しないといけないかも知れないですね。勿論学友の紹介も必要だと思うんですし、あるいはロータリアンの先生方皆様の行動で、この学生は優秀なんだよ、是非とも奨学金を与えて欲しい、以前はそういうシステムあったと思うんですけども。日本のODAじゃないんですけれども、海外の他の国本当に何が必要とするのか、技術なのか教育なのかあるいは、医薬品なのか、奨学生はお金が欲しいというのは非常に言い方が失礼なのですけれども、本来もっと余裕のある勉強の環境が欲しいですね。

 そして、その学費は学業を支えるだけでなく、ロータリアンとの出会いというのが非常に大事ですね。で、先程申し上げたある言葉、私を支えてくれ今日迄頑張ってるという話しなんですけれども、洛中ロータリークラブの元会長の星野先生から頂いた言葉なんですけども、君の瞳を一日でも長く輝くようにどこの場に行っても、瞳を一日でも長く輝くように、ですね。疲れる日はあるでしょうけれども、あるいはある事に取組んでる途中、取組んでる事を止めてしまう。自信を無くしてしまう日はあるのかも知れないんですが、一日でも長くその瞳を輝かせて下さい。この言葉を心に持って、学生を教える事に非常に大きな支えになるんですね。

 先生達のこういう姿、こういう言葉、あるいは日本の文化を教えて頂いてる。色んな、全体的なスタイルで日本の国民ですか、何て言うか草の根運動のように伝えていくんですね。特に今、坂部先生のお話しにもあったんですけども、10万人の留学生の人数には達してないです。海外には、ヨーロッパには負けてるようなんですが、これから本当日本という国はアジアの中で、共存していく中でどうアピールすればいいか。やはり、それぞれの力ですね。時間が大分済んでいますけども、もう一つちょっと心淋しいと思う事なんですけれど。
 教室、勿論京都は暑いですね。クーラーが入ってない日がありまして、言語学の教室はだいたい40名なんですけども。私が走って行ったら皆待たないとダメですね。女の子が走っていくとちょっと申し訳ないと。男の子が誰か行ってくれますかって、クーラーを入れてくれるように言ってくれませんかって。男の子が何故か皆頭に向けてですね、で、他の教室の先生達にもクーラー入ってるんですよと確認はしたんですけども、その先生も非常に心優しく一緒に男の子にお願いします、お願いしますって言ってたりして、その子はやはり動かないんですね。で、他の女の子も勿論恥ずかしがって行かない。その場合、私は中国では、勿論色んな事情があるのだと思うんですけども。もし、中国の教室であれば多分誰かすっと行ってくれると思いますね。勿論日本の大学ですっと行ってくれる教室も沢山あるんだと思うんですけども。そこで私は、一つの事を言ったら皆拍手してたです、私に。別に拍手しなくてもいいんですけども。貴方が走ってくれる事によって、皆五分後すごい涼しくなれて心落着いて勉強できますよ。そういういい事してくれないと、ダメなんですよって、言ったところ女の子が拍手してくれて。
 当たり前の事のように思いますけども、文先生ともその話ししてたんですが、何故行かないのかな、皆恥ずかしがってその恥ずかしいというのは、何なんですか。ていう話ししてたんですね。回りを気にしすぎて、自分が行ったところでどういう評価してくれるか。あるいは、感謝してくれるか。後で、その子が先生の言う事を聞いたら皆に嫌われる、という事もあるんですけども。所謂、さっき千宗室先生の話しでもあったんですけども、自分の回りで一番人の役に立つような事をできれば、今の時点から何かアクションしなくてはいけないですね。回りを気にし過ぎないように。そういう事がありました。

 時間が大分経ってしまいましたので、最後にさせて頂きますが、今現在の研究という事なのですが、私は中国の経済とアジア経済を今勉強中です。特にこれから中国の経済は、アジアの中にとけ込む時代になりますね。それによってエネルギー、環境もしくは食糧問題、アジアの各国にはどういう影響を与えるのか。また、アジア以外での協力関係をどういうふうに果たせばいいか。という事で、論文を書き続けています。話し大分長くなりましたが、以上とさせて頂きます。今日は本当にありがとうございました。