宇治鳳凰ロータリークラブの高橋でございます、宜しくお願いをします。先程、千宗室様からもお話しがございましたが、当地区が数年来大変力を入れてきた国際奉仕活動に、ポリオプラスがござます。ロータリーの会員の皆様方はよくご存知なんですけれども。新入会員の方もおられますのでちょっと説明致します。ポリオこれは小児麻痺ですけれども、主に子供に感染するウイルス感染症で死亡率が大変高く、例え死を免れても四肢に、手足に麻痺が残るという病気です。一生身体障害者になってしまいます。しかし、よくきくワクチンが開発されまして。子供達全員に投与されますと、翌年からはその国では発生しないというふうに、言われています。スライドをお願いします。このスライドは日本におけるポリオの発生件数です。1960年には6000人近い患者が発生しました。当時生ワクチンなど大量に生産していたソ連等から1300万人分を緊急輸入しまして、一ヶ月という短い期間に子供達に一斉投与しました。その結果、グラフでもわかりますように急激に患者数が減少しまして、ほぼ数年にして絶滅に近い状態になりました。だが、この頃全世界ではまだ沢山の患者さんが発生していたわけです。

 国際ロータリーでは1982年にある目標を掲げました。それは世界で全ての子供達にポリオの予防接種を実地して、ロータリー創立百周年の2005年迄にポリオをこの地球上から絶滅する、というものでございました。一方1988年のWHO総会では、2000年迄に、ポリオを根絶するという宣言を採択しました。国際ロータリーはこの共通する目的の為に、WHO、ユニセフと協力関係を結びました。これが、ロータリーの会員であれば誰でも知っているポリオプラスの国際活動でございます。
 2650地区でもこの活動の為に大変沢山の資金を提供しましたが、お金の提供だけでいいのか、我々自身が目標の為に汗を流す事が大切でないのか、という今日出席しておられます杉山パストガバナーの呼掛けで、ワクチン投与ミッションが開始されたと伺っております。2650地区では1955年よりカンボジア、モンゴル、ネパール、ラオス、ベトナム、中国雲南省と6年間に渡ってポリオワクチン投与のミッションを派遣してきました。私も坂部先生が団長をされましたモンゴルにおけるミッションに、初めて参加させて頂きまして大きな感銘を受けました。それからは、毎年参加させて貰っています。このスライドは、ネパールでのワクチンの投与風景です。カトマンズの東にある古い都のバクトプルでの投与の時に撮影しました。次のスライドお願いします。このスライドは、昨年の10月京都で開催されましたWHO西太平洋地区ポリオ根絶会議の、毎日新聞の記事です。私はこの会議に出席させて頂きまして、改めてこのプロジェクトの素晴らしさ、意義を噛締めました。昔から長い間子供達を苦しめてきたポリオという重要な病気が、2005年にはこの地球上から根絶されようとしています。これは大変意義のある事だと思います。

 また、それにも増して重要な事は、各国の政府や国際的な機関、それから国際ロータリーという大きなNGOが一体となって、大きな仕事をやり遂げたという事だと思います。これは、人類の英知に希望を持たせる新しい展望が開けたと、私は考えています。次のスライドお願いします。このスライドはカンボジアに近いメコン川の中洲にありますベトナムの小さな村の人達です。ちょっと写真が小さいので申し訳ないんですが、ワクチンの投与活動が終って、船に引き上げる私達を見送ってくれています。村人達の笑顔を感じて頂きたいと思います。私達このミッションに参加した団員一人一人、どの国でも子供達の笑顔に接して大きな感銘を受けました。今日ご出席の元団員の方達も、子供達の笑顔が今瞼に浮んでいるのではないかと思います。私達は各国の笑顔の子供達に接する事を通して、私達が今している事の重要性を考え、ロータリーの存在の大きさを再確認して帰国致しました。先程のアフリカの子供達の顔、非常に輝いた笑顔で、あーこの子供達も一緒だなと、今この壇上で見て思っていました。2650地区の歴代のガバナー世界社会奉仕の委員長さんを初めとする各位の皆様達が、各国の政府と複雑な交渉をしまして、またWHOと密接な協力をして国際社会の活動に参加している姿を見て、私も何とかしなければと思うようになりました。

 私は、このミッションの感激を自分のものだけにせずに、ポリオプラスに協力して頂いた、全てのロータリアンの皆さんにお伝えしたくて、小さな本を出版しました。この本でございます。会場で販売していますので、押売りされた方もいると思いますけれども、この席を借りてお詫び申し上げたいと思います。だが、皆さんに一読して頂くだけでなく、これからの世界にはばたく若い人達に読んで頂きたいと思っています。日本の周囲にはまだまだ悲惨な生活をしている人達が沢山います。豊かな日本で教育を受けた若い人達がお手伝いできる分野が、沢山ある事を知って頂き、また、こんな立派な活動をしている団体があるのだという事を知って頂いて、自分達の将来の進路に役立てて行って欲しいという事を願っています。どうもありがとうございました。