京都南ロータリークラブの遠藤でございます。坂部ゼネラルリーダー、本日はI.M.に於きましてパネラーとして発言の機会をお与え頂きまして大変光栄に存じ、厚く御礼申しあげます。
 打ち合わせの時、坂部先生に『大変難しいテーマですね。お手柔らかにお願いいたします』と申しあげましたところ『これは 君のところの西村ガバナーがお出しになった テーマなのですよ』と言われてしまいました。
 手続要覧の『新世紀の為のプログラム』を見ますと新世代の基本的ニーズを支援する事が推奨されております。中でも活動の第1番目に子供の健康の支援があげられております。
 私共はそこに着眼しまして子供達の健康を支援するプロジェクトを立ち上げ、それに対しての取り組みを通じまして多くの感動を与えて頂きましたのでここで御紹介させて頂きます。

 私共はこの度少子化対策の一部としまして、生まれて来た子、又産まれてこようとする子供達に対してその命を守るため、地域の総合周産期母子医療センター及び救命救急センターにおきまして日夜たゆまぬ献身的な努力をしておられます、テリトリー内の基幹病院であります京都第一赤十字病院の小児医療の現場の方々の支援に着目しました。そして京都南ロータリークラブの会員に主旨を説明し全面的な協力する旨お返事を頂きました。
 たまたま京都第一赤十字病院の岡 隆宏院長より小児病棟が移転するお話を聞きまして、プレイルームの事をお伺いしましたところ、『子供が喜んで遊べるようなプレイルームを整備するだけの余裕は今の病院の経営状態ではとても出来ない。』との事でした。『それでは私共のクラブで子供のプレイルームをお造りして玩具も一緒に御寄贈させて頂きましょう』と申しあげましたところ大変喜ばれて是非とも協力してほしいとのご意向を示されました。
 そこで私共南ロータリークラブは早速同院の小児救急医療、周産期医療支援としまして、『病床の子供達に 安らぎ と 夢 と 生きる力を!』をテーマに、「小児プレイルーム製作 寄贈 プロジェクト」を発足させました。
 2000年6月より、おそらく本邦初めてと思われます本格的な小児病棟内のプレイルーム の製作 寄贈のプロジェクトへの取り組みを開始しました。
 先ず小児病棟のプレイルームに関する国内外のあらゆる情報を集めると同時にクラブの会員である鹿島建設株式会社の福田 勉所長に設計者を御紹介頂き、主旨を説明して協力をもとめました。
 小野道也君という素晴らしいデザイナーにお会い出来た事も幸運でした。小野氏は『子供達のために本格的にプレイルームを設計された報告は少なく、それだけにやり甲斐のある仕事である』と大変熱心に多くの情報を集めて設計に取り組んでくださいました。
 その結果林檎をテーマにしたとても夢の有る、子供達に安らぎを与える素晴らしいプレイルームのデザインをお造り下さいました。
 又、此の設計に関しましては、会長自らもBostonのChildrens Hospitalのプレイルームを実際に見学し、また留学中の会員の御子息にも足を運んで貰い、BostonのChildrens Hospitalのプレイルームの写真を送って頂きまして参考資料と致しております。
 皆様御理解いただけると思いますが、入院患者さんの居られる病棟での工事には配慮しなくてはならない問題が多くあり、又、PLAYROOMには事故防止をはじめ安全性、アレルギー疾患の予防、騒音防止、などきめ細かい配慮が要求されます。そのような多くの難しい条件を克服し、明るい綺麗なPLAYROOMが完成致しました事はひとえにこのPROJECTを支え協力して下さいました鹿島建設の皆様及び京都第一日赤のスタッフの皆様のおかげだと思います。

 此の部屋がクリスマスやお正月を病院で過ごさざるを得ない、気の毒な子供達に少しでも心の安らぎを与え寂しい思いをしないでくれるように、年末に間に合うように完成を急いでもらいました。
 お陰さまで2000年10月31日に完成しましたPLAY ROOMを京都第一赤十字病院に寄贈致します事が出来ました。その部屋は林檎の部屋と名付けられました。

 プロジェクトに参加して下さいましたのは、私共京都南ロータリークラブ全会員、京都南ローターアクトクラブ、台北南ロータリークラブ、青森ロータリークラブ、小田原ロータリークラブ であります。

 私共の姉妹クラブである台北南ロータリークラブの顔 森桐会長始め会員の皆様が私共の主旨に賛同してくださいまして、国際奉仕の協同事業と致しまして子供の玩具を専門としている販売会社にお願いしまして 木製の積み木、木琴 等を主としました沢山の玩具をお送り下さいました。
 又姉妹クラブであります青森ロータリークラブの工藤会長はプレイルームに多くの名産の青森林檎をお送りくださり、私共のクラブへの公式訪問の折に、自ら病院のプレイルームまでお越しになり子供達に林檎をお渡しなさいました。
 また友好クラブの小田原ロータリークラブからは大変立派な沢山の図書をお送り頂きまして子供達は大喜びでした。
 京都南ローターアクトの会員達はクリスマスに小児病棟を訪問し、出来たてのプレイルームで紙芝居やゲームをしたり一緒に本を読んだりして子供達を慰問してくれました。
 その時の子供達の嬉しそうな顔を目の当りにし、笑い声を聞き、そして奉仕する喜びを実感したローターアクター及びロータリアン達の感動は計りしれないもので有りました。
 後日京都第一日赤副院長、小児科部長の生田先生が例会の卓話にお越しになり御話しの中で、『プレイルームが出来てから子供達はテレビを見ないで玩具で熱心に遊んでいるのですよ。本当に素晴らしい贈り物をして頂きましてこんな嬉しい事はありません。』と心をこめておっしゃってました。此のお言葉を聞きまして私共もロータリーの奉仕の真髄にふれたような深い感動をおぼえました。
 お蔭さまでこのプロジェクトが2000〜2001年度の地区の『意義有る業績賞』を頂戴致しまして、彦根の地区大会におきまして山崎パストガナーより多くの皆様の前で表彰して頂きました。私共のロータリークラブ会員一人一人の奉仕の心を御理解頂きこのような評価を御与え頂きました事 そしてこのような栄誉に輝きました事はロータリアンとしての誇りであると深く感動致しました。
 この部屋が子供達に少しでも夢と力を与え、ささやかではありますが小児医療の支援に成ります様お祈りいたします。