それではただ今から、ロータリー活動での感動的な場面という事でパネルディスカッションを致したいと思います。こちらから馬場利一様、京都西北ロータリークラブ。職業分類は、食品加工でございます。次が遠藤賢一様、京都南ロータリークラブ。小児科医でございます。その次が橋本長平様、京都東ロータリークラブ。弁護士でいらっしゃいます。大庭圭价様、亀岡ロータリークラブ。絹製品製造でございます。それから高橋権也様、宇治鳳凰ロータリークラブ。内科医でございます。それぞれ、約8分程でお話しをして頂きたいと思います。最初にちょっと、その8分を私がいただきます。宜しくお願いを致します。
 今日の第1部のパネルは、西村ガバナーのご指示を受けまして、ロータリー活動での感動的な場面という事で、パネリストのご経験を通してご発言をお願いする事と致しました。昨今、ロータリークラブの衰退、これは各ロータリアンの、ロータリーに対するところのディボーションといいますか、献身とか使命感と言う事ができましょうけれど。そういったものの欠除、と言っては言いすぎになるかも知れませんけれど。ロータリーに対するところの興味とか希望の消失、またそれ程の意味を認めないと、いうふうな方もあります。また、不況の時代に相関するところの費用の負担、そういったものもあると思いますけれど。そういった事が延いては、各ロータリークラブの増強の不振。またロータリアン自身にロータリアンとしての自覚、自信の無い事によるところの増強への熱情の減弱。そしてただ今千宗室様からお教え頂いたとおりでございます。それに加えて、退会者の増加というふうな現実を見るのではないでしょうか。これはひとえに、ロータリアン一人一人が、それが職業奉仕であれ、地域社会奉仕であれ、国際奉仕であれ、ロータリアン同士の友情であれ、それらを通してロータリアンになって良かった、というふうな感動的な場面を自分自身が経験していないか、また、あるにしても非常にわずかなものであるか、そういった事が原因の一つになっているのではないかと思います。私の属しております京都洛中ロータリークラブの創立時のガバナー特別代表であられました吉田督さんがよくおっしゃったお話しの中に、昔はメイキャップで大阪迄行く事があったが。まだ入会したての一介の若者に過ぎない自分に対して、非常に有名な会社の社長が吉田さんに対して非常に優しい言葉を掛けられ、色々と気を遣って頂いた事が、忘れられない思い出となって、それがロータリーとの親密度を増したと、いう事を話された事がありました。50歳を超えるとなると、なかなか本当の親友というものは得難いものであると言いますけれど。私もロータリークラブに入会致しまして、素晴しい友人が与えられた事を感謝しております。家庭の事、人生観、ロータリーの事など、忌憚なく話しのできる関係にあることは、感謝であります。職業に関しましては、自分が医師であるという仕事の上で、患者さんを診させて頂く、という事自体が自分の心の持ち方によっては奉仕になるところの要素となっているので、ありがたいと思っております。患者さんの病気が治るお手伝いをさせて頂いておる、という事に私は私なりに生甲斐を感じて、感謝をしておるわけでございます。また、自分の事を申し上げて恐縮ですけども、国際奉仕に関しましてわずかな経験を、時間の関係もありますから簡単に述べますならば、フィリピンのパナイ島のパンダンという町は井戸を掘っても掘っても塩水が出てくるという事で、町の裏山であるところの湧水の溜まっているところの池から、水をポンプアップ致しましてそれをパンダン町迄引いてくるという遠大な計画の一部を、実施した事があります。その時にロータリアンと、ローターアクターがボランティアとして、現地へ出掛けまして、額に汗をしてポンプを土の中に埋めて延長するというところの仕事を致しました。途中の、セントロザリオという所の町で、一旦水道が引かれた所の蛇口を開くというセレモニーがございまして、水道の栓を私が開くというところの光栄ある一瞬を経験致しました。迸り出てくるところの水を見て、町中の老人だとか大人だとか子供が、歓声をあげて喜んでくれました。その時に町の長老が私の所へそっと寄って参りまして、戦争中は日本は私達を殺しにやって来たけれども、今度は平和と友情を持って来てくれたと、握手をしてくれたのであります。また、ポリオプラスで地区のロータリアンの善意の尊い寄付金を遣ってモンゴルへ出掛けました時にも、ウランバートルの保健所の前に集まった子供連れの母親が、これでポリオの恐怖から解き放たれます。本当に嬉しい事です。ここにいる多くのお母さん方も皆感謝しています。と言ってくれました。そこにはモンゴルの首相だとか厚生大臣の方々もおられましたけれど、何よりもその母親の感謝の言葉が私の胸に喜びとして突き刺さって参りました。後で、米山の奨学生の方々と座談会を開きますけども、年の替わる毎に、奨学生とカウンセラーが肩を寄合うようにしてオリエンテーション、また送別会に歓迎会に参加をして下さいますけども。それを見ておりまして私は、これぞロータリーという思いに充されるのであります。これは私のロータリアンとしての生活の、ほんの一片の話しにすぎませんけれども、私はロータリアンになって良かったと、心から喜び感謝をしております。それではここに座っておられますところの、ロータリーの各位にそれぞれの立場からロータリーでの活動での感動的な場面、という事でお話しをして頂きたいと思います。どうぞ、宜しくお願いを致します。それでは、順番はこちらから馬場さんの方から8分程度でお願いをしたいと思います。宜しくお願い致します。